きみのおと


ああ。



人は。





「・・・わっ!?」





人はね。
大好きが溢れると、その思いを伝えたくて。


その人に、触れたくなるんだね。




「ち、千秋くん・・・」




衝動的にしぃちゃんの身体を抱きしめていた。
しぃちゃんは身体を固まらせ、戸惑っている。

でも、嫌がることなく、次第に体の力が抜け、僕に身体を預けてくれた。




「しぃちゃん・・・。大好き。・・・大好きすぎて、胸が苦しいんだ」

「恥ずかしい・・・。でも、嬉しい。・・・私も、私も千秋くんの事大好きすぎて苦しいよ」




こんなに幸せでいいのかな。
どうしてしぃちゃんみたいな人が僕の側にいてくれるんだろう。
僕を好きだと言ってくれるんだろう。




大すきじゃ足りないくらい、好きが溢れて。
きっと好きって気持ちに、上限なんてないんだ。

際限なく溢れだして、どうしようもないくらい。




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