きみのおと
「でも、芹川くんも同じクラスなんだ・・・」
「芹川くん?」
シュン、と肩を落として少し怯えたように亜衣が話し出す。
芹川くんって、誰だっけ。
聞いたことあるような・・・、ないような・・・。
「しぃちゃん、知らない?ケンカとかしょっちゅうしてて、凄く荒れてるって。あんま学校にも来てないみたいだし・・・」
「あー、そういえば、うわさは聞いたことあるかも」
そっか、同じクラスなんだ。
亜衣はおとなしい子だし、そういう不良とか怖いよね。
「大丈夫だよ。関わらなければ、害はないでしょ」
「・・・うん、そうだよね」
怖がっている亜衣を安心させるように微笑んで、亜衣の手を引いてその場から移動する。
クラスもわかったし、教室に行かなきゃね。