きみのおと


「余計な心配してんなよ」

「う・・・、ごめん。気を悪くしたよね」

「別に。お前が雫を好き好ぎることくらいわかってるし」

「好きずぎるって」



恥ずかしすぎる。
そんなわかりやすいのかな。



「それに、俺は・・・」

「え?」

「いや、別に。さっさといくぞ」

「う、うん」


歯切れの悪い柊二くんに首を傾げながらパン屋への道を急ぐ。

そのパン屋はしぃちゃんと一緒にいったあのパン屋と正反対の方向にあった。

こじんまりとした可愛らしい外観のパン屋。
柊二くんの行きつけ・・・か。



「お前、殴るぞ」

「え!?」

「ムカつく事考えただろ」

「そ、そんな事ないよ!」



確かに、柊二くんからは想像できなかったけど。
別にバカにしてるとかそんなんじゃないし。



「ちっ、入るぞ」

「う、ん」



気を悪くしちゃったかな。



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