きみのおと
仲よさそうなしぃちゃんにたいしての態度よりもっと柔らかくなったような。
いつものトゲトゲしさがなくなったみたいな。
「じゃあな。いくぞ、千秋」
「え、もういいの?」
「なにが」
「え・・・」
なにがって言われると反応に困る。
もう少し話したいんじゃないかなって思ったんだけど。
「一つオススメおまけで入れてるから食べてね」
「あ、ありがとうございます」
「柊くん、またね」
「ああ」
少しぶっきらぼうに答えた柊二くんとパン屋を後にする。
少し考えた後、正直に聞いてみようと切り出した。
「柊二くんは春間さんが好きなの?」
「・・・悪いか?」
一瞬息を飲んだ柊二くんだったけど、誤魔化す事なくそう答えた。
わ、そうだったんだ。
柊二くんの知らなかった面が見れて、秘めてた想いを知った。
なんで僕に教えてくれるんだろう。