きみのおと

陥る




“女男ー!”



“ちあきくーん!名前まで女みてぇ!ぎゃははは!”




“スカートとか似合うんじゃね?”





「ーーーーーっは!!」




ガバッと体を起こす。
ゆ、夢・・・?

昔の夢なんて、最近見ていなかったのに。
少し前まではよくうなされていたけど、そう、しぃちゃんと出会ってからは。


それなのに。



「はぁ、はぁ・・・」



思い出したくない。
あんな思い、もうたくさんだ。


でも、皐月ちゃんは、そんな思いをいましているんだ。



あの時の孤独感は僕は一番よく知っている。
側に誰かがいてくれたらって思う気持ちも。
僕には、いなかったから。



嫌なことを思い出して憂鬱な気持ちを抱えたまま、僕は起き出した。



しぃちゃんに、会いたい。




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