きみのおと
――話なら聞くけど・・・、でも、取り返しがつかなくなる前にちゃんと・・・
結局、確かな返事も聞けないまま別れた。
誰かに話すつもりは、今のところないみたいだ・・・。
そして、その日は再び悪夢にうなされた・・・。
思い出したくない記憶の扉が。
否応なしにこじ開けられてく。
心は必死に拒んでいても。
抗いようがないんだ。
蔑むような目、せせら笑う声、馬鹿にしたような声。
全てに、押しつぶされてしまいそう。
助けて。
誰か、僕を助けて。
――――しぃちゃん!!!
「おはよう、千秋くん」
ハッとして顔をあげると、そこは教室で。
いつの間にか僕は登校していた。
いや、ちゃんと朝起きて家を出た記憶はある。
ぼんやりしていて、現実から一瞬飛ばされてた。