きみのおと
飛び込んできた大好きなしぃちゃんの温かい笑顔に、胸がキュッと締め付けられて。
こみ上げてくる温かさが、僕の身体を動かす。
「――――えっ、」
「しぃちゃん・・・」
僕はその腕にしぃちゃんを抱きしめて、腕に力を込めた。
そうしていないと、足元がぐらついて立っていられない気がした。
しぃちゃんの温もりを感じるとホッとして、安心できる。
僕にはしぃちゃんがいる。
そう確かめられる。
「・・・ごめん、しぃちゃん」
「え?う、ううん。びっくりしたけど、嫌なわけじゃないよ」
真っ赤な顔でしぃちゃんはそういう。
そんなしぃちゃんが愛しくて、愛しくて、ああ、また泣きたくなるんだ。
「千秋くん、なにかあった?」
「え?・・・ううん。なにもないよ」
「でも、突然抱きしめるなんて」
「しぃちゃんが、可愛くてつい」
「えっ!?」
おちゃらけてそう言うと、しぃちゃんは一層顔を赤く染めた。