きみのおと
「なん、で・・・」
「この前校門のところであってただろ。そのままどっかいったけど」
「あ・・・」
見られてたんだ。
もう、誤魔化すなんてできない。
「皐月ちゃんが待ってて、断ろうと思ったんだ・・・。でも、」
「なにかあったの?」
亜衣ちゃんが心配そうに聞いてくれる。
「・・・学校でいじめられてるって。それで、僕に話を聞いてほしいって」
「いじめられてるってあの女がか?でまかせだろ」
怪訝な顔の柊二くん。
「でも次の日、階段から落ちて怪我したって包帯巻いた姿できて・・・」
「それって、いじめで?」
しぃちゃんの問いに僕は小さく頷いた。
「いじめられる辛さとか孤独感はすごくよくわかるから・・・突き放すなんてできなくて」