きみのおと


久賀くんは鞄の中からスマホを取り出し何かを打ち始めた。
私は黙ってそれを待つ。


そして、差し出されたスマホには私へのメッセージが。



『なんで、僕に構うの?』




最初からずっと不思議そうにしていること。
他の人に声をかけろって言ったくらいだもんね。

それに、久賀くんは誰とも関わろうとしてなかった。




「言ったでしょ?友だちになりたいって。今、こうやって一緒にメロンパン食べて、久賀くんの事少し知ったら、やっぱり友だちになりたいって思ったよ」



きっと優しい心を持ってる。
メロンパンを頬張る姿はとても幸せそうで。


他の人と何ら変わりないように思える。


ただ、話さないだけ。
人より、コミュニケーションをとるのが難しいだけ。



だって、綺麗な目をしてる。




それは、理由にならないのかな。




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