きみのおと


皐月ちゃんは、僕と同じ2年生。
同じ学年だったら、皐月ちゃんの事知ってるかもしれない。

どこを見たら学年ってわかるんだろう。



よくよく通る生徒を観察していく。
するとリボンの色がそれぞれに違う事に気づいた。
皐月ちゃんのリボンは、蒼・・・。


青色のリボンの人に声をかけてみよう。




いざ、そう思って一歩踏み出そうとするけど。
今まで人とちゃんとコミュニケーションをとっていなかった僕には、それはとてつもなく難題だった。


今でだって、ちゃんと関われるのは、しぃちゃんや柊二くん、亜衣ちゃんくらい。
他のクラスメイトとも、話しかけられたら話せるようにはなったけれど。



でも・・・。
そんな事を言ってるから、僕はいつまでたっても弱いままなんだ。



弱くて、狡くて、護られてばかりで。
情けない。



もう、こんな自分嫌なんだ。
だからいま僕は、ここにいるんだ。




よし。




「あ、あの!」




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