きみのおと


「久賀くんと、友だちになりたい」



真っ直ぐそう告げる。
揺るがない気持ち。

こんなにも、自分から積極的に向かった事なんて初めて。
ずっと受け身だった。


だからこそ不思議だ。
久賀くんの事は、こんなにも気になって。

もっと知りたいと思う。




「時々でもいいから、こうやってメロンパン一緒に食べたい」




それはきっと、運命だと思うんだ。
そう思っても、いいよね。





『後悔、するよ』




再び差し出されたスマホ。
それを見て私はにっこりと笑った。



「するわけない」




そう言い切った。



だって、するわけない。
こんなにも願うんだもの。


例え何があったって。
友だちになりたいと思った自分の気持ちを後悔なんてするわけないよ。




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