きみのおと
「それに、それと今回の事とどう関係があるのよ!」
しぃちゃんが、苛立ったように声を荒げた。
「・・・簡単な事でしょ。また同じシチュエーション作って、今度は私がちーくんを助けてあげるの。それで晴れて私はちーくんのヒロインになって、ハッピーエンド」
「狂ってんだろ・・・」
「同じシチュエーションって・・・」
「私の相談に乗るうちに、過去を思い出して傷ついたちーくんを、私が救ってあげるの」
足元が、不安定だ。
晒されていく現実に。
堕ちていく。
「だから、早く堕ちてよ、ちーくん」
ああ、僕は。
どこで何を間違ったんだろう。
弱くて、狡くて、かっこ悪くて。
情けない。
そんな僕に、いつだってしぃちゃんは巻き込まれて。
いつだって、そう。
泣かせてばかりなんだ。