きみのおと


トクン、と胸が鳴り瞳が揺れる。
緊張を誤魔化すように笑って千秋くんを呼ぶと、千秋くんはまた水玉のノートを差し出した。




「・・・え・・・」




そのノートに、視線を落とすと私の息は詰まった。






『別れよう』





小さく、でも確かな字でそう書かれてあった。





「え・・・なに・・・どういうこと・・・?」




動揺した瞳で千秋くんを見る。
千秋くんはその瞳から目を反らすと、ノートにペンを走らせる。

ドクン、ドクン、とさっきとは違う鼓動が鳴る。




『もう、しぃちゃんといたくない』




続いて見せられたノートを見て、私の頭の中は真っ白になった。





どうして?
いたくないって・・・。
なんで突然・・・。




「な、何がいけなかったの?いたくないって、どうして?」





わけが分からなくて、納得なんてできなくて、千秋くんに問い詰める。





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