きみのおと
だから、嫌になったんだ。
私のそういう邪な想いが伝わったんだ。
「やっぱり・・・、好きだなんていうんじゃなかった・・・。友だちのままでいたらよかった」
そうすれば、きっと今でも側にいれた。
欲張ったから。
友だちじゃ満足できなかったから。
恋人でいられた期間、あっという間だった。
もっと側にいたかった。
もっと、いろんなところにデートに行きたかった。
好きだって伝えて。
好きだって言ってもらいたかった。
「しぃちゃん。いっぱい泣いて、泣いて、すべて出し切ったら、一緒に考えよう。しぃちゃんと、千秋くんのために」
「・・・っ」
亜衣が優しく包み込んでくれる。
私はそれに甘え、ギュッと抱き返した。
ああもうだめだ。
涙がね、とまらないんだよ。