きみのおと
こんなに、自分がダメージを受けることになるとは思わなかった。
夜はあまり眠れなくて、ふいに涙が溢れてきて止まらなくなって。
いつになったら立ち直れるのかな。
彼女は無理でも、また前みたいな友だちにいつか戻れるかな。
でも、そうなるには、早く立ち直らなきゃ。
未練があるうちはムリだよね・・・。
「ち、千秋くん。バイバイ!」
それでも、日常的な挨拶くらいは交わしたい。
千秋くんとの関わりが全く無くなるのは寂しくて。
勇気を出して声をかけた。
「・・・」
千秋くんは、こちらも見ずに小さく頷くとそそくさといってしまった。
もう・・・友だちにも戻れないの?
ギュッと手を握って少し遅れて私も歩き出した。