きみのおと
校門を出たところで、そこで立っていた皐月ちゃんに気づいた。
え、どうしてまた来るの・・・?
まだ、諦めてなかったの?
「皐月ちゃんっ!」
私はいたたまれなくなって皐月ちゃんに声をかけた。
皐月ちゃんは私を見ると、ムッと眉をしかめる。
「なんで?あんな風に言われてどうしてまたくるの?」
「あなたには関係ないでしょ!私はちーくんを待ってるんだから!」
千秋くんは先に帰ってる。
タイミングずれて会わなかったんだ。
そのことにホッとする。
皐月ちゃんに会って千秋くんがまた傷つくのはさけたい。
あれ以上千秋くんを苦しめるのは、私が許さない。
「お願いだから、これ以上千秋くんに付きまとうのはやめてほしいの」
「彼女だからって、なんでそんなこと言われなくちゃいけないの?ムカつくんだけど」