きみのおと
彼女だからって・・・か。
もう彼女でもない私にはもっとそんな資格ないのかも。
でも・・・。
「彼女とか友達とか関係ない。千秋くんが皐月ちゃんのせいで傷つくの見たら、誰だってそう言うと思うわ」
「傷つけたのは私じゃないって言ってるでしょ!」
「最初の傷はそうかもしれないけど、今回千秋くんが受けた傷は皐月ちゃんがつけた深い傷よ」
わかってもらおうなんてムリなのかもしれない。
皐月ちゃんの気持ちは私にはわからない。
理解なんてできない。
だから、私の気持ちだってわかってもらえるわけないのかも。
それでも、譲れないものはある。
「ヒロインになりたいなんて理由で千秋くんに近づいてるなら千秋くんじゃなくてもいいでしょ」
「うるさいな!邪魔しないで!」
ドンッ!と皐月ちゃんに突き飛ばされて私はバランスを崩し倒れこんだ。