きみのおと


「―――っ、た・・・」




思いきり、右のふくらはぎを地面で吸ってしまい激痛が走る。
痛みに歯を食いしばり、顔を顰めた。



「・・・っ、わ、私のせいじゃないから!」



皐月ちゃんはそう言い残し走り去ってしまった。
残された私は、しばらく立ち上がれないまま・・・。




「・・・っ」




こみ上げてきた涙を乱暴に手で拭って立ち上がる。
ふくらはぎからは血が滲んでいた。



痛い。
足も、心も、全部が。



悔しくて。
悲しくて。
辛くて。
しんどい。




どうしたらいいんだろう。
どうしたら、よかったんだろう。




繰り返し、繰り返し。




答えなんて、出るわけもないのに。




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