きみのおと
千秋くんを、心から心配してくれたり友だちになろうって思ってくれる人じゃないと・・・。
「しぃちゃん、おはよう」
「あ、亜衣、おはよう」
「しぃちゃん、顔色悪いよ?無理してるでしょう?」
「そんなことないよ。ほらもうすぐ期末だし。もう来週だからさ、頑張らないと」
正直、テストの事なんて考えられないんだけど。
ほんとうだったら、千秋くんと一緒に勉強する予定だった。
「ねぇ、本当?私、千秋くんの事も心配だけど、しぃちゃんのことだって蔑ろにしたくないんだよ」
「別に、蔑ろになんてしてないでしょ?今は、千秋くんの側にいてほしいって私が頼んでるんだから」
「でも・・・」
「私が千秋くんと別れたからって、それと亜衣たちとは関係ないんだから。亜衣たちまで気まずくなる必要ないし」
亜衣が心配してくれるのはすごく嬉しくて。
嬉しくて、でも。
今はほんとうに千秋くんの側にいてあげてほしい。
私はいくら胸がいたくたって、眠れなかったって、平気だから。
千秋くんの傷ついた心に比べたら、へっちゃらなんだから。