きみのおと


「あの女の存在が、あいつの中でそんなにでかかったのかよ。そうじゃなきゃ、裏切られたからってそこまでなんのか」

「嘘、つかれてたんだよ・・・?それも、一番最低な傷を抉るような嘘・・・」



そんなの、傷つくに決まってんじゃん。
だって、その嘘が発覚する前に、相談されてる時点で“いじめ”の事で千秋くんはすごく思い悩んでた。
思い出して苦しんで、笑えなくなってたんだもん。




「もうやめよう。こんなところでこんな話・・・」

「亜衣・・・。うん、ごめん・・・」

「柊二くんも、イライラするのはわかるけど、しぃちゃんにあたらないで」

「・・・チッ」




柊二くんだって、どうしたらいいかわからないんだ。
柊二くんは柊二くんなりに、千秋くんとは仲良くしていたし友だちだって思ってたはず。

それがこんな風になって、柊二くんに対しても前みたいに拒絶してる千秋くんに、どうしたらいいのかきっと悩んでるんだ。



みんな、どうしたらいいかわからなくて、もどかしくて悩んでる。




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