きみのおと
「自分のせいとか、余計な感情で自分を責める前に、お前にできることがあるだろ」
「僕に、できること・・・」
そんなの、僕にあるんだろうか。
「後ろばっかみてねぇで、前見て見ろよ」
「芹川。お前、いいこと言うな。お前がそんな友達思いだったとは・・・」
「うるせぇよ、大村」
「先生だろ、大村先生」
前・・・。
そうだ。
僕はいつだって。
過去ばかり気にして。
過去にばかり捕らわれて。
「雫の親とかは?」
「連絡はしたんだが、仕事が忙しいらしくてな」
「ふぅん」
「とりあえず、俺が見届けて報告する」
僕だって、何かできるかな。
前を向いて、歩いて行けるかな。