きみのおと


眠るしぃちゃんは、目の上にガーゼと、瞼を動かさないために眼帯をつけた痛々しい姿で。
頭の検査も問題はなく、意識もそのうちに戻るだろうと言われた。



「俺は、保護者に連絡を入れてくるから。二ノ宮の事頼んでいいか?」

「ああ、任せとけ」

「じゃあ、頼んだぞ」




大村先生がそう言い残して病室を後にした後、僕たちはしぃちゃんが目覚めるのを側で待った。
どれくらい時間がったのか。

ピクッとしぃちゃんの指が動いたかと思うと、ゆっくりと瞳が開かれていく。




「しぃちゃん・・・!」




思わず身を乗り出して声をかける。
ぼんやりとした瞳が僕を捕えると、その瞳がうるうると潤み始めた。



「し、しぃちゃん・・・?」




そのうちに、ついには溢れて頬に流れる涙。
僕は戸惑い慌てる。




「千秋くん・・・、声・・・。よかった・・・また、聞けた・・・」




震える声で、しぃちゃんはそう言ったんだ。



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