きみのおと
少しムッとして振り返る。
そこには金髪の目つきの悪い男が立っていた。
見た事のない人・・・。
気が付くと、教室内がシンと静まり返っていた。
亜衣は、怯えたように青ざめた顔をしている。
え・・・?
もしかして、この人って。
「なにジロジロ見てんだよ、文句あんのか」
ぎろっと睨みつけられ、因縁をつけられる。
もしかして、もしかしなくても、この人が愛が怖がってた芹川くん!?
「えと、芹川くん?」
「し、しぃちゃんっ」
思わず尋ねると、亜衣が慌てたように小声で引き止める。
やっぱり間違いないんだ。