きみのおと


次の日。
空は晴天。
清々しい真っ蒼な空の下。



「しぃちゃん!」




僕は、精一杯の声でしぃちゃんを呼んだ。
しぃちゃんは、痛々しい包帯の姿だけど、明るいいつもの笑顔で僕を見た。




「千秋くん、来てくれてありがとう」





こんな風に、当たり前に迎えてくれる。
僕はひどくしぃちゃんを傷つけてしまったのに。




「しぃちゃん、ごめんね・・・」

「亜衣に聞いたよ。千秋くんのかっこいい話」

「か、かっこいいなんて・・・」




恥ずかしくなって肩をすくめる。
でも、あんな風に自分の想いを真っ直ぐ力強くぶつけられたのなんて初めてだった。

いじめられてた時だって、僕はいつでもビクビクと怯えるだけだったんだから。



「しぃちゃんたちの、おかげだよ」




誰かの存在がこんなにも力になって。
僕を確かに強くしていく。




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