きみのおと
そんな事、今までずっと知らなかった。
人は傷つけるものばかりで。
他人は皆敵だと。
「帰ろう、しぃちゃん」
「うん。帰ろう、千秋くん」
護りたいもののために、強くなること。
強くなりたいと願い、勇気を出すこと。
「なんか、見せつけられた気分」
「ほんとだね」
「俺らこなくてよかったんじゃね?」
「言えてる~」
「ちょ、ちょっと、二人とも!そんなことないから!来てくれてすごく嬉しいよ!」
他愛ない会話の中にも、幸せを見つけられる。
その中に僕がいること。
まだ夢みたいだけれど。
「お前らが一人で抱え込むとろくなことがないってつくづくわかったからな。お前ら暴走禁止だ」
「そうそう!ちゃんとどんなことでも相談すること!」
確かに僕は、ここにいる。