きみのおと


「さっきから、しぃちゃんチラチラ男の人に見られてるんだよ。しぃちゃん脱いだら結構スタイルいいし、可愛いし」

「は?へ?」

「千秋くん、それ見てヤキモチやいたんだよ」

「い、言わないでよ!かっこ悪いでしょ」



千秋くんは顔を真っ赤にさせて恥ずかしそう。
他の人の視線になんか、気にしてなかった。





「そうだったんだ・・・。ごめんね。私、千秋くんの事しか気にしてなかったから、気づかなかった」

「・・・・・・もうやだ」

「お前、無意識か」

「天然て怖い」




千秋くんは一層顔を真っ赤にさせて顔を手で覆ってしまうし。
柊二くんと亜衣はなんだか呆れ顔だし。
え?
私、なんか変な事言ったっけ?




「でも、誰に見られてても、私が見てほしいのは千秋くんだけだし。やっぱり別に関係ないよ」

「・・・もう!しぃちゃん!ちょっと来て!」

「えっ!?わ!千秋くん!?」



千秋くんは突然私の手を引いて歩き出す。
振れた手は熱くて、そこから伝わる体温が、私の身体に伝染していく。




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