きみのおと


「私も、大好き」



ギュッと一層強く抱きつくと、千秋くんも同じように温もりを返してくれる。
ああ、なんて幸せなんだろう。


何度傷ついたとしても。
何度間違ったとしても。


もうこの手を放したりしない。



もしこの先また、千秋くんに“別れたい”なんて言われたとしても。
今度はもう簡単に引き下がったりしないんだ。


カッコ悪く無様でも、縋りついてやるって決めた。



それくらい大好き。
それくらい愛してる。




千秋くんの世界に、少しでも私がいられますように。
私の世界に、少しでも千秋くんが安心していられますように。


間違えないように。
違えないように。

何度も思いを音に乗せて。




「好きだよ」



そう伝えよう。





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