きみのおと
私がもっているものは、なんだろう。
考える。
きっと特別なものなんて何もない。
ずっと昔、大好きなおばあちゃんに言われた言葉。
『 雫、人には優しくね。優しくしたらそれだけ、その優しさは返ってくるからね 』
きっと、ただそれだけを持って千秋くんと出会った。
おばあちゃん、でもね違ったの。
人に優しくしたらね、それだけじゃない。
それ以上の幸せが返ってきたんだよ。
千秋くんが私に与えてくれるもの。
それはきっとかけがえがなく。
優しい音に乗って私に届けられる。
大好きな声。
大好きな笑顔。
大好きな温もり。
そのすべてが愛しくて、たまらない。