きみのおと
千秋くんは言う。
私のおかげだって。
私が千秋くんを変えたって。
でもね、それは違うと思うんだ。
だって私は、千秋くんを変えたかったんじゃない。
ただ友だちになりたかった。
ただ、側にいたかった。
友だちより先に、いきたかった。
きっと、ただそれだけの想いだったから。
「ずっと、一緒にいてね」
「もちろん」
「あのノート、これからも使ってね」
「うん。しぃちゃんがくれた“幸せ”だから。交換ノートでもしようか」
「ふふ、いいね。賛成」
変わっていくもの。
変わらないもの。
そのどれもいが愛しくてたまらない。