きみのおと
でも、しぃちゃんが私からどんどん離れていっちゃったら、なんか嫌だな。
私とも、友だちでいてくれるよね?
こんな事考える自分、凄く嫌だ。
いつも受け身で、自分から行動起こすことできなくて。
誰かがしてくれることを待ってる。
「やな奴」
自己嫌悪。
芹川くんだって、しぃちゃんと話してるのを見てたら、口は悪いけど想像とは違ってた。
もしかしたら、イメージが勝手に独り歩きしてるのかなとも思うのに。
一度できた、怖いって感情は簡単には消えない。
「・・・おい!」
突然叫び声と、力強く腕をひかれる感覚と。
目の前をボールが勢いよく通り過ぎていくのを見た。
え・・・・?
「ごめんなさいっ!」
グラウンドの方から慌てた声が聞こえ、取り損ねたボールがこっちに来ていたことを知った。
全然気づかなかった。