きみのおと
「大丈夫か」
ハッとして顔をあげる。
そういえば、誰かが私を引っ張って助けてくれたんだ。
「は、はい。ありが・・・」
慌ててそう言いながら振り返ると、そこにいたのはまさかの芹川くん。
「せ、芹川くん!?」
「、なんだよ」
芹川くんは怪訝そうに顔を顰める。
私を助けてくれたんだ・・・。
「怪我は?」
「な、ないです」
「ボーっとしてんなよ。ぶつかるところだったぞ」
「う、うん。そうだね、ごめんね」
心拍数が上がるのは、きっと相手が芹川くんで恐怖がぬぐえないからだ。
うん、きっとそうだ。