きみのおと
「うん!久賀くんがいいの!」
私がそう叫ぶと、久賀くんは驚いたように顔をあげ、照れくさそうに頬を染めた。
そして、小さく頷いてくれた。
「いいの?ありがとう!」
よかった!
やっぱ、久賀くんって優しい。
よし、頑張るぞ!
「そういえば、芹川くんも追試受けるんだよね?本試受けてないから」
「あ?だったらなんだよ」
私と違って、芹川くんは全部受けるんだよね。
瀬名くんの前の席に座っていた芹川くんに話しかけると怪訝な顔で振り向いた。
あの日から、芹川くんはちゃんと学校に来てる。
「芹川くんも一緒に教えてもらおうよ」
「あ?なんで俺が。俺は休んでただけで、てめぇとは違う」
「え、そんな、私より頭いいわけないじゃん!金髪なのに」
「髪の色は関係ないだろ、バカかお前は」