きみのおと
誰とも関わりたくないって思った。
誰の事も見なくてすむように前髪も伸ばして。
それなのに、なんで今更こんな風に思うんだろう。
パン・・・。
二ノ宮さんが教えてくれたメロンパンのお店。
なんだか無性に食べたくなった。
向かう方向を駅方向へと向け歩き出す。
考えがごちゃごちゃして落ち着かない時は、好きなメロンパンが食べたくなる。
メロンパンのある通りに入るとすでに美味しそうなパンの香り。
この香りが好きだ。
中に入って一目散にメロンパンのところに行く。
前も残り1個で人気だったメロンパンは今日も残り少ない。
一つ選んでトレイにのせる。
今日は他のパンも買ってみよう。
何個かトレイに乗せ、そのままレジに向かった。
単純な僕は、さっきまでの沈んだ気持ちも少し浮上していた。