きみのおと
にっこりと笑ってそう言う二ノ宮さん。
どうして彼女は・・・。
「あいつらが戻ってきたらいけないから急いで移動しよう」
その言葉に、頷いて歩き出した。
僕たちは、この間もきたあの公園に来ていた。
「この公園、私結構好きだなぁ」
ベンチに座るとしみじみと二ノ宮さんが言った。
僕も今、同じことを思った。
人はあまりいない公園だけど、綺麗に整備されていて。
ごちゃごちゃ遊具があるわけではなく緑が多くて。
周りが静かだから、二ノ宮さんの声がよく聞こえる。
僕は袋の中からメロンパンを取り出すと半分に割った。
半分を二ノ宮さんに差し出す。
「え?くれるの?」
こくりと頷くと二ノ宮さんは笑って受け取ってくれた。