きみのおと
「呼び捨てって言い辛いかな。亜衣はしぃちゃんって呼ぶけど・・・。って、それじゃあ打つ文字数変わんないか」
はははって笑う二ノ宮さん。
僕は、意を決してスマホに打ち込む。
『しぃちゃん』
ただそれだけを討って、見せると二ノ宮さん・・・、しぃちゃんは目を一瞬見開いてそのあとにこっと笑った。
「うん。なんか、友だちって感じするね」
友だち。
もうきっと、そんな肩書きがもらえることはないと思ってた。
ほしいとも思っていなかった。
だけど、こんなに嬉しいって思うのは。
しぃちゃんだから。
「私も、千秋くんって呼んでいい?」
思わぬ問いに僕はギュッと縮こまる。
千秋くん・・・。
僕は、この名前が、嫌いだ。