きみのおと
生まれた気持ち
ピンポン
僕は、家に帰る時中に入る前にチャイムを鳴らして中に入る。
「おかえり、ちーくん!」
それが僕の、ただいまの合図。
パタパタと賑やかな足音を立てながらお母さんが出迎えてくれる。
暖かな優しい笑顔。
僕は、小さく頷いて靴を脱いだ。
「学校どうだった?なにか楽しいことあった?」
明るい調子で聞いてくるお母さんに、僕はまた小さく頷いた。
その問いに、頷いたのは僕がこうなってから、初めての事だった。
「・・・そう、そう。よかった」
感極まったようなお母さんの声は少し震えていて。
でも、僕に悟られないように明るい声を務めていた。