きみのおと

｢邪魔なんだよ！」




先に殴り掛かってきたのは男たちの方だった。
一発、芹川くんはその拳を頬にくらう。


｢ちょ、せり・・・っ、｣



青ざめたしぃちゃんがとっさに飛び出そうとするのを僕は腕を掴んで止めた。




｢うし。これで正当防衛だな｣



納得したように芹川くんが呟くと、腕を慣らすように腕を回す。
どういう勝手な理屈なんだろうと思ったのと同時に、芹川くんは勢いよく拳を振り上げ男たちに振り下ろした。


あっという間に伸されていく男たち。




｢んだよ、つまんねぇな｣




簡単に倒してしまうと芹川くんは本当につまらなそうに呟いた。




｢や、やりすぎだよ！とりあえず、場所移動しよう！」



しぃちゃんが芹川くんに駆け寄ると青ざめた顔でそう言った。
芹川くんは面倒くさそうに頭を掻くと一つ息を吐いて歩き出した。