きみのおと
逃げたくない。
もう、敗けたくない。
僕はここにいる。
僕だって、ここで生きてる。
僕をちゃんと認めてくれる人がいるんだ。
そう気づいたらなんだか少し心が軽くなった。
「男のくせに、泣き虫だな」
きっとそんな風に言われたら、傷ついて塞ぎこんでいた。
でも今は、でも芹川くんに言われても、なんだか平気だった。
受け入れられる気がした。
少しずつ、なにかが変わってる気がした。
変化なんて求めてなかったはずなのに。
なんだか、心が軽いんだ。