朝焼け
今日は晃の家に由美が泊まりに来るらしい。

…幸せな奴。

薫の事を考えていると、幸せな気持ちになる。



…あ。気付いたらバイトが終わる時間だった。


「おい、雄。上がっていいぞ」


店長が言ってくる。


「お疲れ様です!」
元気に声をかけて上がる。


今日はまっすぐ晃の家に向かう。



もう由美が来ていた。



「あ、雄君来た。久し振り♪」


「久し振り。元気だった?」



「うん。
…薫も元気みたいだよ」


薫の名前を聞いた途端、心臓が破れそうな位ドキドキする。



「な、分かりやすい奴だろ?」

晃が言う。


「うん♪」

と、由美が言う。



「だから、さり気なく探り入れてやってよ」


由美が満面の笑みで

「うん。頑張って聞き出してあげるネ♪」


と言われた。



「…お願いします」

つい、そう答えてしまった。




俺は薫の気持ちを知ってどうしたいんだろう?



告白…



するのか?




大事に出来るか分からないのに?






俺は


ただ…




側に居られれば




それで



それだけで


良いんだ。





出来れば




「恋人」



として



側に居たいけど。




それは



怖い。




薫が


離れてしまった時を



考えて



考えるだけで




胸が痛いんだ。





絶対に



終わらない



恋があれば






いいのにー…
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