朝焼け
薫を家まで送り、
俺が晃に車を返したときはもう朝だった。

晃は俺の顔を見て、


「何やってたんだ?」

と聞いてきた。


「え??ドライブ」

と答えると


「・・・・俺の車でヘンな事してないだろうな?」


「だから、そんな事はしないって言っただろ?」



と言うと、何故か怒り出した。



「何でだよ?!!キスくらいはしたんだろ?!」



「してない」



と答えると


修羅の顔になった。





「だから何でなんだよ?!
好きなんだろ?!
唾つけよう、とか思わないのか?!」



「唾つけるって、どういう意味だよ?」



「その言葉通り、キスとか、
それ以上の事だっ!!!!!」



だから何で怒ってんだよ。



「付き合ってるからってすぐしていい、
ってモンでもないだろ」





「何でそんなにストイックなんだよ!!
今日からお前ストイッ君って呼ぶぞ?!」



「そ、そんな変なあだ名は勘弁してくれ!!」





そんな感じで、流星群ツアーは無事終了した。



面と向かって


直接




「好きだ」




とは言えなかったけど。




幸せすぎて、




言うのが怖かったんだ。




心の中でしか言えない、



弱い男でゴメンなさい。




でも。



薫を想う気持ちは



誰にも負けないからね。
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