朝焼け
布団を敷き、電気を消し、薫と同じ布団に入る。


緊張で心臓が張り裂けそうだった。




落ち着かない。



薫はもう寝たかな。




ごろん、と薫の方に寝返りをうつ。




すると、薫もこちらに寝返りをうつ。




意を決して、声をかける。



「薫…ちゃん、起きてる?」




この時、本当は呼捨てにしたかったんだけど。



怖くてやめちゃった。




「うん」



と薫が返事をする。




抱き締めていいかと聞くと、答えはいつもの通りだった。




…薫は俺の心を掴んで離さない。





壊さないようにそっと包み込む。




薫の匂いがする。




安らぐ、ってこういうのを言うのかな。





愛しい薫。




君にはいつも笑ってて欲しい。
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