朝焼け
将来の夢を聞くと、薫は作詩家になりたいと言った。




俺は薫が作った詩を聞いてみたかったのに。





薫は恥かしがって、ほんの触りの部分しか聞かせてくれなかった。




そして、話を逸す為に、俺の夢を聞いてきた。




俺は。





フランス料理のシェフになりたい。





本場フランスの料理学校に通って、1年間程向こうで働いて。





フランスの味を覚えたい。






それで。


薫には言わなかったけどさ。


ゆくゆくは。





日本でフランス料理の店を開いて。






店が終わって家に帰ったら。




家で薫が待ってるんだ。





そんな事まで考えてたんだ。





恥かしくて言えなかったけど。




それに。




2年間も離れるんだ。




きっと薫の心も離れちゃうから。





怖くて。





2人の将来は考えないようにしてるんだよ。





俺はズルいよね。




ゴメンね、薫。
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