朝焼け

「いや…雄、薫ちゃんと付き合い出してから、びっくりする位大人になったな。
と思って」


と晃が言ってくる。



「俺はただ薫に逃げられないように頑張ってるだけだよ」



「イヤ。その考えがもう違うもん。
俺だったら、逃げられたく無いから手を出す!!」



「だから。晃は晃なりの愛し方でイイんじゃね?
由美ちゃん晃にベタ惚れじゃんよ。
って事は晃の愛し方は間違って無いって事じゃね?」




「俺…今、すげぇ感激してる。
今の言葉、由美とか薫ちゃんに言っていい?
お前のモノマネ付きで」



と晃が言う。



「だっ駄目に決まってるだろ?!
そんな事してみろ!!
マジギレするぞ!!」



「出来るモンならやってみやがれ~!!」


逃げる晃。


追う俺。



でも俺は知ってる。



これは晃の照れ隠しでもあり、淋しがってる俺を励ましてくれてる。


って事を。
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