朝焼け

今日は薫に会える｡

電車に乗り込んだ薫がﾒｰﾙを送ってきた｡


実は俺はもう､駅に居るから､必要無い､と言えば無いんだけれど｡



だって｡


早く薫に会いたくて､たまらないんだ｡

たったの2駅の距離がもどかしくて仕方なかった｡



早く､早く｡
早くﾄﾞｱが開いてくれ｡
早く俺を薫に会わせて｡

薫が電車を飛び降りて､俺に向かって小走りでこちらに来る｡


「雄!お待たせ!」
と､声をかけてくる｡


薫が俺を待たせたんじゃ無くて､電車が俺を待たせたんだ｡



でも､薫が電車が速く走り過ぎても怖いって言うし､待ってる時間も嫌いじゃない｡



俺達は手を繋ぎ､歩き始めた｡