朝焼け
「何やってたんだよ~?」
ニヤニヤしながら晃が入ってくる。
「何もしてないっ!!」
必至に否定するが顔に出てしまっている。
「まぁ。イイや。これ、借りてた漫画返しに来たんだ。
俺の用件はそれだけだから、邪魔しない内に帰るわ!!」
風のように去っていく晃。
「…何かあっという間に帰る時間になっちゃったね」
外は真っ暗だ。
「邪魔ばっか入ったからねぇ…」
邪魔されてばっかりな1日だった。
気を取り直し、
「帰りは誰にも邪魔されないように帰ろうね☆」
精一杯の笑顔で薫に言う。
…ここで由美とか来たら、俺。
怒ってたかも。