朝焼け

「…そういえば。自転車で送ってくれるって言ってたけど…
2人乗りってしちゃダメだよね??」




「……あっ…」


そんな法律も確かにあった。

忘れてしまってたけど。


考える。




考えろ。




「閃いた!!!!」




「行きは自転車を押す!!
んで、薫を送ってから俺は自転車に乗って帰る、と。
それでどうだ?!!!」



どうだ?!!!じゃないよ、俺。


薫は俺を笑うし。



「…あ…ダメかな」



そりゃダメだろ。



「違うの、違うの!
あんまり雄が真剣に考えてくれたから、嬉しくてね?」



ほっとした。

馬鹿にされたのかと思った。

薫のその笑顔はいつでも俺を安心させる。



君の全部がダイスキです。



…なんか恥かしいな。


でも


嘘、偽り無く。


ダイスキだよ。
< 168 / 218 >

この作品をシェア

pagetop