朝焼け
「何が?」

と聞くと、
「私なんかの為に頑張ってくれて、ネ」



上目使いに俺を見上げる。


私なんかって…


相手が薫じゃなければこんなに頑張りません。


そう言おうとしたのに。

眼が合った。




「前払いした分なんだけど、もう一回…イイ??」


とか言ってるし。


あぁ…俺最悪。



でも。



薫がコクン、と頷く。



やっぱり、あの時から心が通じ合ったのかも。




軽く薫の唇に俺の唇を触れさせる。



一瞬で離れるけど。



それはまるで神聖な儀式のようで。




幸せな気分になれるんだ…



薫もそう思ってくれてるといいな。
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