朝焼け
「今日はどこに行くの?」


「秘密だけど、暗くならないとダメなんだよね。何か行きたい所とかある?」


暗くならないとダメな所?


ど…どこなの?!



「薫ちゃん??
どしたの?
あっ、もしかしたら車に酔った?停めようか?」



「ううん、大丈夫だよ!!行きたい所、考えてた。心配させてゴメンね?」




「大丈夫なら良かった☆時間はあるから、ゆっくり考えてね♪」




運転しながら上機嫌な雄。



「雄君って運転好きなんだ?」



「運転楽しいよ~♪薫ちゃんは免許取って無いの??」




「うん、私はね…実は…親からストップかかってるの」




「何で?親からストップかかるってよっぽどじゃない?
…何かしたの??」



「うん…。親が言うには、私がぼんやり運転して、気付いたら2~3人轢いたりしてそうだからって…」



ブハっと雄が吹き出す。




「そんな事無いでしょ?薫ちゃんはしっかりしてるから」


笑いながら言う。



「でもね、そう言われるとそうかも、って思ってね?」




「…まぁ、薫ちゃんがどこか行きたくなったら俺が車出すよ♪」



雄が言う。




「…晃君の車だけどね?」



「いいの~、晃は乗ってないから♪その内俺のモノになるかも」



笑いながら言う。




話に夢中でどこに行きたいか全然考えて無かった。


それにしても…




運転中の男の人って、何かカッコいい。



…雄だからかな?




とか考えてると、




「何か行きたい所は思いつきましたか??」




雄の横顔をじっと見ていたからか、雄が聞いてくる。




「えっ?えっと…」



彼氏が出来たら行きたかった所。




「う…海行きたい!!」




雄が私を見つめる。




「…泳ぐの?」


真顔で聞いてくる。
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