朝焼け
雄の力強い腕に優しく包まれながら、
これ以上無い程の幸福感に包まれながら

私は眠りに落ちて行った。




今日はバイトは休みなのに、いつも通りの時間に起きてしまった。



雄を見ると、気持ち良さそうに眠っている。




雄の寝顔を見ていると、
急に愛しさが込み上げる。


思わず、雄の頬に軽くキスをしてしまった。




と。



急に抱きすくめられた。



「ごっ、ゴメン、起こしちゃった??」

びっくりしたのでついどもってしまった。



「ううん、起きたら薫が目の前に居たからつい抱き締めちゃった。
ゴメンね?」


「…嬉しいよ?雄に抱き締められるの好き。」



と言うと、雄の顔が真っ赤になる。




「起きた時、隣りに好きな人がいるって、凄く幸せだね☆」



「俺もそう思った。
一緒にいてくれてアリガトウ♪」


と、言いながら頬にキスをされた。



「…さっきのお返し☆」


雄はイタズラっ子の様な笑顔を浮かべた。




何が起こったのか。


一瞬分からなかった。



そして、思わず雄に抱き付く。



雄は慌てふためき、一息ついてから、抱き締めてくれた。



「何か離れられない…
雄、引きはがして?」


と言うと、



「ダメだ。俺の力じゃ離せない。
だって俺、薫を離したくない」




「雄…」



2人の目が合う。



見つめ合う。




とうとう…





ファーストキスの予感…??







だけど。






急に雄に引き離された。




「そろそろ、着替えようかっ!!」



と言い、携帯と着替えを手に取り、

頭上に?マークがたくさん出ているのが目に見えそうな私を置いて

部屋の外に出て行った。
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