朝焼け
残念ながら晃の家には雄の家から歩いても30分とかからない。




晃の家の前で、繋いだ手を離す。




あの時、本当は手を離したく無かったの。





雄はそうでも無かったのかな。







晃の家のチャイムを鳴らす。


まるで当然のように由美が出て来た。



ただ、今の今まで二度寝していたのだろう。




髪はボサボサで、まだ晃の服を着たままだ。




「オハヨウ☆」

と声をかけると、


「オアヨ」


と、呂律が回っていなかった。




完璧に寝起きだ。




不機嫌オーラが出まくっている。




晃の部屋に行くまでにはもう目が覚めたらしく、いつもの由美に戻っていた。
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